2020 年 20 巻 p. 97-102
中小企業診断士をはじめとしたホワイトカラー系の国家資格を関心の対象とし,その独立開業について検討する。国家資格を持つ有能な独立開業者がわが国の経済成長や社会課題の解決に寄与することを目指し,その実態を明らかにしていく。具体的には中小企業診断士を事例として,第一に「独立開業者をどのような類型に分けることができるか」,第二に「独立開業の障害は何か」について検討する。第一の点では,キャリアチェンジ型,セカンドキャリア型,既存資源活用型の3つの類型を示す。第二の点では,人脈,経験・スキル,資金などの障害が存在することを言及する。さらに類型と障害の関係についても考察を加える。