2021 年 21 巻 p. 25-30
道の駅の農産物直売所は,鮮度が良く,安く,安全安心などの農産物の品揃えが消費者から支持され増加傾向にある。また,生産者との契約では委託販売契約が多くを占め,販売側の在庫負担を伴わないなどの理由から,消費者への積極的な販売促進に消極的なケースが多い。一方,和歌山県にある道の駅Kの農産物などを扱う直売所では,積極的な販売販促を行うことで出荷者数や売上高が増加する効果が見受けられた。よって本稿においては,道の駅Kの関係者からのインタビュー調査をもとに,ブランド戦略に焦点を当て,積極的な販売販促を行うメカニズムについて明らかにすることを試みる。