日本経営診断学会論集
Online ISSN : 1882-4544
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川崎モデルを事例とした川崎市の支援活動への一考察
新井 稲二
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2023 年 23 巻 p. 14-20

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抄録

中小企業の抱える課題への従来型支援の限界から,行政と多様な支援機関が連携した新たな取り組みが始まっている。本稿では,中小企業における大企業の休眠知財の活用を取り上げ,行政と多様な支援機関が連携した支援の実態を明らかにするため,川崎市の実施する川崎モデルを事例に,同モデルに関わった2名に非構造化インタビューを実施し考察を行った。その結果,川崎モデルの成功要素は,①市内の中小企業者との関係性の構築,②知的財産権を保有する大企業からの協力,③専門家の知的財産権を中心とした支援能力,④行政,民間支援機関,専門家の連携による伴走型支援にあり,関係者間の連携関係がその中核にあることが明らかになった。

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