総合健診
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短報
職員食堂利用者の食堂利用頻度と食堂の役割の認識、利用理由及び利用状況との関連
村田 淳子吉岡 有紀子
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2020 年 47 巻 2 号 p. 357-363

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抄録

【目的】事業所給食における喫食者の職員食堂(食堂)利用頻度と、利用頻度別の食堂の役割の認識、利用理由及び利用状況を明らかにすること。

【対象】事業所給食として設置されている神奈川県内A市役所職員食堂を利用する職員88人(男性59人、女性29人)。

【方法】食堂利用職員に無記名の自記式質問紙調査を実施し、食堂利用頻度が週3回以上(利用頻度高群)と週2回以下(利用頻度低群)の2群で分析した。

【結果】男女共に半数以上の者が週3回以上食堂を利用していた。食堂を利用しない時の食事内容は、利用頻度高群は外食(購入弁当を含む)を食べる機会が多かった。食堂でよく食べるメニューの上位3位は、利用頻度高群は「麺類」「定食」「カレー」、利用頻度低群は「麺類」「定食」「ヘルシーメニュー」であった。食堂の役割の認識は、利用頻度に関わらず「食事の場」「金銭面のサポート」「身体の健康の保持増進」といった福利厚生や健康管理であった。実際の利用理由及び重視していることは、利用頻度に関わらず「職場から近い」「安く食べられる」「食事に時間がかからない」といった福利厚生であった。

【考察】事業所給食での従業員の健康管理は、利用頻度高群では平日の昼食に外食が多いことから、食堂をはじめ外食での食事を踏まえた取組みが必要と言える。一方、利用頻度に関わらず食堂を福利厚生や健康管理の役割があると認識しているものの、実際の利用や重視していることは福利厚生面であることから、提供メニューを健康に配慮した内容とすることで、喫食者が意識せずに健康管理の取組につなげることができると考えられる。

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© 2020 一般社団法人 日本総合健診医学会
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