抄録
本研究は,「攻めの農政」への転換で推進される農業法人の設立を「起業」として捉え,起業時からの持続的な競争優位について,多角化をフレームワークに設定し考察してみた。起業後「規模の経済」によって生産規模を拡大すると,次の段階として「範囲の経済」や「組織の経済」による多角化によって,事業範囲を拡大し生産工程の一部を内部化する。多角化で得た経営資源のうち,模倣困難なものが競争優位の源泉となる。この時「深さの経済」による既存事業での学習の蓄積が新たな深化のカギとなる。このサイクルによって,成長が成長を呼ぶプロセスを確立することとなる。