マーケティング史研究
Online ISSN : 2436-8342
特集論文
カルフール・グループ―単一フォーマットからマルチ・フォーマット,マルチ・チャネル食品小売業へ―
バート スティーブ 戸田 裕美子
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 3 巻 1 号 p. 3-32

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抄録
 カルフール・グループは,ヨーロッパのハイパーマーケットの発明者として広く認知されており,この小売フォーマット*は,後に世界中に移転され,取り入れられた。その創業から60年の時を経て,カルフールは国内をベースにした単一フォーマットから脱却し,40カ国以上で14,300店超を構えるマルチ・フォーマットを擁すマルチ市場のグローバル小売業へと進化を遂げた。このカルフールの進化は,この期間に食品小売業の中で生じたマクロ的な傾向を反映しており,より具体的には,小売フォーマット,国際市場,商品やストア・ブランド,マネジメント・コントロール・メカニズムやサービス,そしてオムニチャネルの提供など,さまざまな事柄の変化を内包している。本論文は,1960年代初頭以降に,このグループの戦略や活動がいかに変化してきたか,その変遷を歴史的に概観するものである。本論文では,創業者一族が退任した後にカルフールを率いてきた,6人の異なる最高経営責任者たちの在任期間に基づいて資料を整理し,時系列の形式で議論を展開する。このアプローチは,それぞれのリーダーたちが追及した戦略的な方向性を描写するものであり,彼らが優先した事項や活動,その在任期間中に生じた外的そして内的なコンテクストおよび,彼らが直面した困難の変遷を示している。企業のリーダーの役割や行動は,経営史を理解する上での重要な要素なのである。
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