2013 年 59 巻 3 号 p. 236-240
子宮頸癌の原因は高リスク型ヒトパピローマウイルス (Human papilloma virus;HPV) の持続感染であることがすでに解明され, このことで2008年Zur Hausenがノーベル医学賞を受賞した. 子宮頸癌予防には定期検診が必要であるが, しかし日本の子宮頸癌検診には問題点が2点指摘されている. 1点は定期健診受診率が低いこと, もう1点は細胞診の精度が低いことである. 定期健診にHPV検査と細胞診を組み合わせることにより, さらなる子宮頸癌検診の精度が高まり, 前癌病変の100%近くが検出されることが今後期待される. さらに現在HPVワクチンが発展してきており, 10歳代で予防ワクチンを受け, さらにこれら検診により, 将来子宮頸癌がなくなることが期待される. このためにも子宮頸癌検診精度を上げるために細胞診単独よりもHPV DNA検査併用の意義がある.