Journal of Mammalian Ova Research
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ウシ卵子の体外成熟培地に添加した白血病抑制因子(LIF)が体外成熟,受精および発生に及ぼす影響
荒木 真李 殷松福井 豊
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1997 年 14 巻 2 号 p. 143-150

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抄録

ウシ胎児血清(FCS)またはウシ血清アルブミン(BSA)を含む体外成熟培地に添加したヒトおよびマウス白血病抑制因子(leukemia inhibitory factor;LIF)の効果(実験1),およびBSAを添加したsemi-defined mediumを成熟培地に用いた場合のホルモンの有無および2種の培養方法(単一培養または集団培養)によるマウスLIFの効果(実験2)を検討した.ウシ未成熟卵子を24時間成熟培養した後,体外受精・培養を行い体外成熟率,受精率および発生率を観察した.実験1において,TCM-199に添加したヒトLIFおよびマウスLIF(1,000 U/ml)の体外成熟率,受精率および発生率への影響はみられなかった.実験2において,ホルモン添加区では無添加区に比べ正常および総受精率(P<0.01),分割率(P<0.05)が有意に増加した.集団培養は単一培養に比べ有意に(P<0.01)低い正常および総受精率,そして高い多精子受精率および発生率を示した.しかし,実験2においても成熟培地へのマウスLIFの添加効果はみられなかった.以上の結果から,成熟培地に添加したヒトLIFおよびマウスLIFはウシ卵子の体外成熟,受精および発生には顕著な効果を及ぼさないことが示唆された.

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© 1997 日本卵子学会
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