Journal of Mammalian Ova Research
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顕微切断とPCRによるウシY染色体DNAの増幅
岩崎 説雄田頭 保渡辺 都雨宮 直子東中川 徹
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1997 年 14 巻 2 号 p. 151-156

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抄録
染色体特定領域のDNAライブラリーを構築するためのストラテジーを確立するため,顕微切断およびPCRによりウシY染色体DNAの増幅を行った.リンパ球の分裂中期核板からY染色体を顕微鏡下で切断し,プロテナーゼKで分解後,フェノール/クロロホルムでDNA抽出を行った.抽出したDNAを制限酵素Sau3AIで消化し,EcoRI切断部位を導入した合成リンカー/プライマーに結合した.PCRにより増幅された染色体由来DNA断片はpUC19DNAのEcoRI切断部位にクローニングされた.ポジティブコントロールとして用いたSau3AI切断pUC19DNA断片は,少なくとも0.2 pg以上で増幅されることがわかった.Y染色体由来のDNA断片では,0.15-1.0 kbのスメアーバンドの増幅が認められた.65個のクローン(0.05-1.2 kb)のうちドットハイブリダイゼーションにより2個のクローンが雄特異的であったが,サザンハイブリダイゼーションではY染色体特異性は認められなかった.
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© 1997 日本卵子学会
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