Journal of Mammalian Ova Research
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ブタ体外成熟・体外受精卵の体外発生過程における成長因子レセプター遺伝子発現
吉田 由美子吉田 光敏
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1998 年 15 巻 1 号 p. 43-48

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抄録
本研究ではブタ体外成熟・体外受精卵の体外発生過程における成長因子レセプター(ErbB3,bFGF-R,IGF-I-R,PDGF-Rα)遺伝子発現状況について逆転写(RT)-PCR法を用いて検討した.食肉センター採取の卵巣卵胞より回収したブタ未成熟卵を体外成熟,体外受精および体外発生させた.媒精後10時間(前核初期),20時間(前核後期),36時間(2~4細胞期),84時間(8~16細胞期),144時間(拡張胚盤胞)および168時間(拡張胚盤胞~脱殻胚盤胞)の卵よりmRNAを抽出,RT-PCRに供し,電気泳動後,各遺伝子シグナルの検出状況を調べた.その結果,IGF-I-R,bFGFおよびPDGF-Ra遺伝子発現は発生過程を通じて観察されたが,EGFレセプターサブファミリーの一員であるErbB3遺伝子発現は前核初期段階で検出されず,前核後期以後に初めて観察された.以上の結果より,体外発生過程において,ブタ体外成熟・体外受精卵は成長因子レセプター遺伝子を発現しており, それぞれ特徴的な発現パターンを示すことがわかった.
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© 1998 日本卵子学会
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