12および3ヶ月齢のBALB/cとICR雌マウスより得られた卵子の体外受精を行い,第1および第2卵割期の染色体の正常性を調べた.第1卵割期の高齢区では排卵率が低い傾向にあり,1頭あたりの排卵卵子数が顕著に少なかった.第2卵割期の高齢区では異常卵出現率が顕著に高かった.第1卵割期の染色体分析では,12-ICR区では他の区に比べ受精率が有意(p<0.05)に低く,また同一系統区内の高齢区では分裂中期像を示す胚の率が低かった.一方,多倍性胚の出現率は,12-BALB区では他の区に比べて有意(p<0.05)に高かった.しかし,第2卵割期の分析では,高齢区で3倍体の出現率が高い傾向があったが,12-BALBと3-ICR区間において2細胞期胚の倍数性に有意な差は見られなかった.以上の結果から,雌の高齢化は無排卵や多精子侵入,受精の遅延もしくは得られる胚の非同期的発生により繁殖成績の低下を招くことが明らかとなった.
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