Journal of Mammalian Ova Research
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総説
マウス精子の凍結乾燥
川瀬 洋介鈴木 宏志
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2005 年 22 巻 4 号 p. 206-210

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抄録

現在,液体窒素を用いた精子の凍結保存法が積極的に利用されている.しかしながら,凍結精子の保存・輸送には様々な問題が存在し,これらの問題点を解決すべく,液体窒素を利用しない次世代の精子の保存・輸送方法として,凍結乾燥が注目されている.運動能をもたない凍結乾燥された精子においても,卵細胞質内精子注入法(ICSI)を利用することで凍結乾燥精子由来の産子を得ることが可能であることから,遺伝子資源の保存に凍結乾燥精子を利用することへの期待が高まっている.従って,凍結乾燥精子の数十年,数百年といった長期保存の可能性の保証や凍結乾燥精子を比較的高い温度で長期保存可能な凍結乾燥条件を見出すことが重要な課題である.最近,これらの課題を克服するために,医薬品の安定性を速度論的に考察するのに利用されている「アレニウスプロット」を用いた加速試験を応用することによって,凍結乾燥精子の長期保存性の予測が実現化された.

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© 2005 日本卵子学会
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