Journal of Mammalian Ova Research
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原著
ヒト桑実胚の形態学的評価における透明帯厚測定の有用性
小島 章弘藤井 俊策福原 理恵中村 理果木村 秀崇山口 英二福井 淳史水沼 英樹
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キーワード: 桑実胚, 胚移植, 着床, 透明帯
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2005 年 22 巻 4 号 p. 231-235

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抄録

Day 4に新鮮桑実胚を1個以上移植した306周期を対象とし,桑実胚の形態と治療転帰との関係を検討した.妊娠率は,最良桑実胚におけるcompaction率が「100%」で55.7%,「75%以上」で32.5%,「75%未満」で16.3%(P<0.0001),輪郭が「ほぼ球形」で62.8%,「浅い凹み」で46.3%,「深く凹み不整」で24.4%,「分葉」で11.1%(P<0.0001),fragment率が「5%未満」で50.3%,「5-25%」で29.4%,「25-50%」で19.4%,「50%以上」で33.3%であった(P=0.0004).単一桑実胚移植周期(n=121)では輪郭にのみ有意差(P=0.03)を認めた.透明帯厚は,最良桑実胚においては非妊娠周期の9.3±1.8 μmに対し妊娠周期では7.9±2.1 μm(P<0.0001),単一桑実胚移植においても非妊娠周期の9.7±2.0 μmに対し妊娠周期では8.5±1.9 μmと薄かった(P=0.004).妊娠成立へのロジスティック回帰分析では,最良桑実胚においては透明帯厚(P<0.0001),輪郭(P=0.0003)とfragment率(P=0.02),単一桑実胚移植においては透明帯厚(P=0.01)が有意な寄与因子であった.したがって,桑実胚においては透明帯厚と胚の輪郭が形態学的評価項目として有用である.

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© 2005 日本卵子学会
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