2009 年 26 巻 2 号 p. 79-85
TESE,高度乏精子症におけるICSIでは,運動精子を得ることが難しい場合がある.精子調整後,運動精子が得られない,または非常に少ない症例において,ペントキシフィリンを用いて運動性を賦活することにより生存精子を選別し,ペントキシフィリンを用いずに運動精子が得られた症例と臨床成績を比較した.ペントキシフィリン添加が必要だった群は非添加群と比較して受精率,胚利用率が有意に低かった.しかし,妊娠率,着床率,流産率は非添加群と有意差は無く,受精が成立し形態良好胚が移植できれば良好な成績が期待できると考えられた.また,ペントキシフィリン添加群に由来する6例の出生児に異常は認められなかった.精子非動症例におけるICSIにおいてペントキシフィリンは有用と考えられた.
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