Journal of Mammalian Ova Research
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マンノシダーゼ処置したマウス卵子の受精能
新村 末雄大輪 真司
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2011 年 28 巻 2 号 p. 89-93

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抄録
マンノシダーゼ処置したマウス卵子に媒精して受精率を調べ,卵子表面のマンノースが受精に果たす役割について検討した.0.05,0.1,0.5あるいは1.0単位/100 μlの濃度のマンノシダーゼで処置した透明帯除去卵子に媒精すると,受精率は,それぞれ47.8,40.4,28.2および18.8%であり,マンノシダーゼ処置していない対照の卵子の69.2%に比べていずれも有意に低かった.一方,マンノースに親和性のあるレクチンであるCanavalia ensiformis agglutinin(Con A)の結合は,マンノシダーゼ処置していない卵子ではすべてで強度であったが,0.1単位/100 μlの濃度のマンノシダーゼで処置した卵子では強度の結合を示したものは44%に減少した.以上の結果から,マンノースは,透明帯とともに細胞膜表面でも,精子が認識するための物質として役割を果たしている可能性が考えられた.
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© 2011 日本卵子学会
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