Journal of Mammalian Ova Research
Online ISSN : 1347-5878
Print ISSN : 1341-7738
ISSN-L : 1341-7738
28 巻, 2 号
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原著
  • 胚盤胞移植における検討
    相澤 嘉乃, 千木野 みわ, 佐藤 綾, 岡本 真知, 村瀬 真理子, 榊原 秀也, 石川 雅彦, 吉田 浩, 平原 史樹
    原稿種別: 原著
    2011 年 28 巻 2 号 p. 83-88
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/09
    ジャーナル フリー
    経時的胚評価法:Graduated Embryo Score(GES)は,前核期の核小体の配列,媒精から25–27時間後の早期分割の有無およびフラグメンテーションの量,Day2またはDay3における細胞数と割球の均一性およびフラグメンテーションの量を経時的に評価する方法であり,8細胞までの良好胚の選択に有用である可能性が報告されているが,胚盤胞移植における有用性についての検討はない.そこで,従来法のGardner分類で胚盤胞を評価すると同時に,GESを用いて胚評価を行いGESが胚盤胞移植の臨床成績におよぼす影響を後方視的に解析した.本検討においては発育ステージのみに着目し,媒精後118–120時間後のGardner分類4以上を良好胚盤胞,3以下を不良胚盤胞として検討を行い,内細胞塊,栄養外胚葉の評価は検討に含めなかった.Gardner分類4以上の良好胚盤胞移植群のうちGES高得点群の妊娠率47.4%(9/19)は,GES低得点群16.7%(3/18)と比較し有意に高い結果となった(P<0.05).GESは,胚盤胞移植における胚評価法としても有用であり,今後良好単一胚盤胞移植にも寄与することができると考えられた.
短報
  • 新村 末雄, 大輪 真司
    原稿種別: 短報
    2011 年 28 巻 2 号 p. 89-93
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/09
    ジャーナル フリー
    マンノシダーゼ処置したマウス卵子に媒精して受精率を調べ,卵子表面のマンノースが受精に果たす役割について検討した.0.05,0.1,0.5あるいは1.0単位/100 μlの濃度のマンノシダーゼで処置した透明帯除去卵子に媒精すると,受精率は,それぞれ47.8,40.4,28.2および18.8%であり,マンノシダーゼ処置していない対照の卵子の69.2%に比べていずれも有意に低かった.一方,マンノースに親和性のあるレクチンであるCanavalia ensiformis agglutinin(Con A)の結合は,マンノシダーゼ処置していない卵子ではすべてで強度であったが,0.1単位/100 μlの濃度のマンノシダーゼで処置した卵子では強度の結合を示したものは44%に減少した.以上の結果から,マンノースは,透明帯とともに細胞膜表面でも,精子が認識するための物質として役割を果たしている可能性が考えられた.
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