Journal of Mammalian Ova Research
Online ISSN : 1347-5878
Print ISSN : 1341-7738
ISSN-L : 1341-7738
原著
ICSIの成績向上のための工夫
―ICSI時におけるレーザーアシストハッチングシステムを用いた透明帯の部分的菲薄化の有用性―
高橋 郁恵羽鳥 暁子中野 英之
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2013 年 30 巻 2 号 p. 49-52

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抄録

当院でICSIを施行した90症例101周期を対象とし,ICSI施行時にLAH (laser assisted hatching)システムを用いて透明帯を部分的に菲薄化することで卵子にかかる圧力を軽減できるか,またその後の胚発生の成績および妊娠率に影響があるかを検討した.透明帯の菲薄化を施行した群を菲薄化群,通常通りのICSIを施行した群を対照群として,両群の胚発生の成績および妊娠率を比較した.受精率,ICSI後の卵変性率,良好胚形成率および初期胚移植での妊娠率は,菲薄化群がそれぞれ80.8%,7.5%,66.5%,28.6%,対照群がそれぞれ73.0%,9.7%,64.6%,23.1%であり,対照群に比べ菲薄化群で受精率が有意に高かった.ICSIにおけるLAHシステムを使用した透明帯の部分的菲薄化の有効性が示唆された.

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© 2013 日本卵子学会
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