徒手理学療法
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講座
Graded Motor Imagery
―理論的背景と臨床応用―
三根 幸彌Cocks Tim
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2023 年 23 巻 1 号 p. 27-32

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抄録

本稿はGraded Motor Imagery(GMI)の理論的背景と臨床応用について概説する。GMIとはその名の通り,段階的な(Graded)運動想起(Motor Imagery)を用いた評価・治療体系であり,複合性局所疼痛症候群や幻肢痛,凍結肩,橈骨遠位端骨折,上肢の末梢神経障害性疼痛の治療において効果的であるという研究エビデンスが存在する。また,その考え方が腰痛を含む他の慢性痛に対しても応用されている。一般的にGMIは3つの段階的な運動想起課題を有しており,具体的には①左右識別課題(Left/Right Judgement Task),②Explicit Motor Imagery,③ミラーセラピーで構成される。一般的な徒手療法や運動療法が適用とならないような慢性痛に対して,GMIという評価・治療体系が有効なアプローチとなる可能性がある。

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© 2023 日本徒手理学療法学会
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