徒手理学療法
Online ISSN : 2434-4087
Print ISSN : 1346-9223
総説
運動器疾患に対する生物心理社会的アプローチに有用なスクリーニングツール
千葉 弘樹高﨑 博司
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2024 年 24 巻 1 号 p. 26-36

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抄録

現在理学療法の臨床現場において心理社会的因子をスクリーニングすることが推奨されている。運動器理学療法においては生物医学的アプローチから生物心理社会的アプローチへの転換が重要であり,回復を阻害する心理社会的危険因子であるyellow flagの程度を把握するために様々なスクリーニングツールが開発されてきた。スクリーニングツールの使用は生物心理社会的アプローチの臨床実践に向けた第一歩となる。今回はまず,様々な国のガイドラインの中で使用が推奨されており,腰痛に対して使用できるSTarT Back Screening Toolと,部位を問わず全ての運動器疾患を対象に使用できるÖrebro Musculoskeletal Pain Screening Questionnaireを紹介した。さらに,予後予測のために用いる場合,すなわち,スコアを計算しそのスコアに基づいて予後を判断する使い方と,臨床推論を充実させ生物心理社会的なアプローチを実践するために活用する方法を紹介した。また,近年新たに開発されたスクリーニングツール例も簡単に紹介した。

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© 2024 日本徒手理学療法学会
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