2025 年 37 巻 2 号 p. 42-60
本研究は、ポストハーベスト損失(PHLs)と食品廃棄について、日本や米国といった先進国と、ネパール、インド、バングラデシュ、パキスタン、タイなど穀物損失が依然高いアジアの開発途上国(DCs)を比較している。これらの格差を把握することは、世界の食料システムの強靱性を高めるための政策や対策を検討する上で重要である。
開発途上国では、インフラ不足や不十分な貯蔵施設、限られた市場アクセスにより、生産物の多くが市場に届かず、PHLsが深刻化している。一方、先進国では、過剰購入や外観基準、流通の非効率性により、農場以降の消費・小売段階で損失が多い。こうした違いは、地域に応じた廃棄削減策の必要性を示している。
食料損失の削減は低コストで効果的な施策であり、特にDCsでは農村開発や貧困削減に大きく寄与する。小規模農家への教育、農村インフラ整備、品質保持に対するインセンティブ強化などが重要である。本研究は、開発途上国と先進国のPHLパターンの主要な相違点を明らかにする。