抄録
地球環境のゆらぎを把握するために,琵琶湖ボーリングコアの解析データを利用し,各因子を時系列に従って整理,計算し,得られたデータをパワースペクトル解析にかけた。 同時に地球の公転,自転に対する他の天体の作用が及ぼすゆらぎの結果をミランコビッチの日射量変化として解析した。その結果,1/fゆらぎになることが明らかとなった。 ボーリングコア中の全炭素含有量,全窒素含有量δ13Cなど,古気候の変動は1/fゆらぎとして把握することができた。すなわち,古気候の変動はランダムではなく,自然の一つの規則性に基づいて変動していることが明らかとなった。これは地球環境のゆらぎとサイクルの研究が今後の地球環境の変遷に有用であることを示唆するものである。