MACRO REVIEW
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太平洋島嶼諸国(キリバス)に対するマクロエンジニアリングの観点からの今後のわが国ODAの例
高千穂 安長
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1996 年 8 巻 2 号 p. 92-99

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抄録

太平洋島嶼諸国の特徴は、パプア・ニューギニアなどの例外を除けば、国土の狭小性と散在性、世界の主要市場からの隔絶性である。このため、その開発にあたっては、多くの困難が伴う。わが国は人道的立場、水産資源確保などから従来、水産振興、人材育成、人道的立場からの支援などを太平洋島嶼諸国に行ってきた(注1)。これらの支援の方向は正しく、有用であり、引き続き支援する必要がある。そのうえで、これら諸国の経済の自立のための支援を考えると、今後は、魚類・海草・コブラなどの自然の再生可能資源、太陽光線や海水など無尽蔵に近い資源および人材の活用による産業振興を目指す必要がある。そのために、マクロエンジニアリングの大規模性が必要になるケースも考えられる。本稿では、開発が難しい太平洋島嶼諸国の極小国家の中から、350万平方キロメートルという最大級の200海里経済専管水域を有し、わが国にとって水産資源確保のうえから重要で、また第2次世界大戦時に日米両軍の大激戦が行われ(写真1)、わが国と関係が深いキリバス共和国(以下キリバス)を対象に、持続的成長、経済的自立を前提とする支援の例を、貿易、観光、海外出稼ぎの3分野に絞り、マクロ・エンジニアリングの立場から考察する(注2)。

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© 日本マクロエンジニアリング学会
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