抄録
変形されたオイラー平均流方程式-それはエリアッセン•パルムフラックスの発散, すなわち, 中高緯度の大規模運動の場合は準地衡風うず位輸送, を陽に含む-に基づいて変形されたエネルギー変換式を導いた。波と平均流相互作用の更なる理解のために。変形された平均エネルギー式はその良く知られた変形されたオイラー平均流式からすぐに導ける。その変形平均流エネルギー式と辻褄の合うような変形されたじょう乱エネルギー式を得るために, じょう乱式を変形した。その結果, 変形されたエネルギー式を平均流とじょう乱の両方に対して構成することができた。変形エネルギー論においては, 平均場とじょう乱の有効位置エネルギーの間にはエネルギーのやりとりがない。
得られたエネルギー式を3ツの理論モデルに適用した。すなわち, イーディの傾圧不安定, 臨界レヴェルに入射する上方伝播定常プラネタリー波, 上方伝播するプラネタリー波束の問題に。イーディ問題においては, 傾圧不安定にとって本質的である上下の壁の存在の重要性を変形エネルギー論は陽に表現する。臨界レヴェル, 波束の両方の問題に対しては, 通常のエネルギー論より変形エネルギー論の方がエネルギーのやりとりの様子がより簡単になる。エネルギー収支に正味の影響を結局はもたらさない項を変形エネルギー式はそもそも含んでいないからである。
エネルギー論それ自身の制約はあるが, この新しい方式は, 波と平均流の相互作用の起こっている状況の理解に役立つ。