1997 年 3 巻 1 号 p. 35-43
本学会も設立されて20年を迎えようとしている。「世界に広がる内観」を大会テーマにしたのは, 昨年の第19回大会であったし, ドイツ, オーストリア, 中国からの出席者が講演して, 盛会であった。このような内観の発展を喜びつつも, 国内での, とりわけ心理療法の分野における内観の展開を顧みるとき, 果たして, 手放しで喜べるであろうか, いささか心許無い, というのが実際であろう。
小論は, 内観法が内観療法として心理療法の分野において, もっと活発に用いられるために計画された。ややもすると, 従来の内観研究が3項目 (世話・返し・迷惑) に重点を置き過ぎる傾向があったように思われるので, ここでは, 個別内観療法と称する治療構造のなかで, 描画法 (九分割統合絵画法) を導入した結果について, 心理療法の立場から若干の考察を試みた。