抄録
目的:本研究は、介護保険施設に入所する高齢者において、ミールラウンド体制と1年間の入院、死亡リスク
低減との関係を検討した。
方法:日本健康・栄養システム学会認定臨床栄養師がいる、あるいは認定臨床研修施設である35介護保険施
設(特養22施設、老健13施設)の入所高齢者1,646名が対象として登録された。平成25年10月~12月のベース
ライン時のミールラウンド体制(管理栄養士によるミールラウンド実施頻度、摂食嚥下機能評価体制の有無、
管理栄養士の施設当たりの常勤配置人数、歯科医師や歯科衛生士、言語聴覚士の参加の有無)を独立変数とし、
1年間の入院、死亡の発生を結果変数として、Cox 比例ハザード分析により検討した。
結果:管理栄養士の施設当たり常勤二名配置では、入院に対するハザード比は0.61[CI : 0.43-0.88]と有意に
低減した。歯科衛生士の参加ありでは、入院に対するハザード比は0.70[CI : 0.54-0.91]、死亡に対するハザー
ド比は0.70[CI : 0.51-0.97]とどちらのリスクも有意に低減した。言語聴覚士の参加ありでは、死亡に対する
ハザード比は0.67[CI : 0.45-1.00]と有意に低減した。その他のミールラウンド体制と入院、死亡の発生は有
意な関連が認められなかった。
結論:介護保険施設に入所する高齢者に対するミールラウンド体制において、管理栄養士常勤二名体制や歯
科衛生士、言語聴覚士との協働体制が1年間の入院、死亡の発生リスク低減に関連した。
キーワード:高齢者施設、ミールラウンド、入院、死亡、管理栄養士