日本健康・栄養システム学会誌
Online ISSN : 2758-3309
Print ISSN : 2432-3438
18 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • ~特別養護老人ホーム及び介護老人保健施設における全国調査より~
    松山 紗奈江, 加藤 昌彦, 榎 裕美, 宇田 淳, 髙田 和子, 大原 里子, 遠又 靖丈, 苅部 康子, 堤 亮介, 小山 秀夫, 高田 ...
    2018 年 18 巻 2 号 p. 2-11
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:介護保険施設(特養及び老健)において、平成27年度の介護保険制度改正後の、栄養ケア・マネジメン トのもとで提供される経口維持に関わるサービス(経口維持加算()())の取り組み状況を把握し、当該サー ビスやこれを担う管理栄養士の配置数が経口維持による施設内看取りや在宅復帰支援に関連するかを横断的 に検証することを目的とした。 方法:介護保険施設3,054施設(特養1,928施設、老健1,126施設)を対象に、調査票の郵送留め置き式調査を行っ た。特養における「1年間の経口維持による施設内看取り者」及び老健における「1 か月間の在宅復帰者」を結 果変数、「経口維持加算()()算定の有無」「管理栄養士2名以上配置の有無」を予測変数、平均介護度を調整 変数とした多変量ロジスティック回帰により分析した。 結果:解析対象は、入所者80名以上の施設とし、336施設であった。経口維持加算()算定は、特養にお ける「経口維持による施設内看取り」の増加に関連する要因であった(オッズ比2.305[95 % 信頼区間:1.214- 4.376])。管理栄養士2名以上配置は、特養における「経口維持による施設内看取り」(2.106[1.105-4.014]) 、 老健における「在宅復帰」(3.722[1.548-8.948])の増加に関連する要因であった。 キーワード:介護保険施設、栄養ケア・マネジメント、経口維持、看取り、在宅復帰
  • 藤川 亜沙美, 高田 健人, 長瀬 香織, 松本 菜々, 榎 裕美, 髙田 和子, 大原 里子, 小山 秀夫, 杉山 みち子
    2018 年 18 巻 2 号 p. 12-20
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:本研究は、介護保険施設に入所する高齢者における入院、死亡に低栄養は関連すること、さらに、低 栄養と関連するミールラウンドによる観察項目を検討することを目的とした。 方法:日本健康・栄養システム学会認定臨床栄養師がいる、あるいは認定臨床研修施設である35介護保険施 設(特養22施設、老健13施設)の入所高齢者1,646名が対象として登録された。平成25年10月~12月のベース ライン時のBody Mass Index(BMI)やミールラウンドによって観察された状況、さらに1年間の入院、死亡 の発生日を追跡した。ベースライン時のBMI18.5kg/m2未満を低栄養とし、1年間の入院、死亡発生との関連 をCox 比例ハザード分析により検討した。また、ベースライン時のミールラウンドによる観察項目(全35項目) と低栄養との関連をロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)によって検討した。 結果:ベースライン時には524名(31.8 %)に低栄養が認められ、その後、1年間の入院に対するハザード比 は1.28 [CI : 1.02-1.59,p=0.028]、死亡に対するハザ-ド比は1.84 [CI : 1.41-2.40,p<0.001] であった。ベー スライン時のミールラウンドによる観察項目のうち、【噛むことが困難である】、【硬い食べ物を避け、軟らかい 食べ物ばかり食べる】、【食べるときに下顎が出る】、【興奮・大声・暴言・暴力】、【失行】が独立した要因として、 低栄養と関連した。 結論:低栄養は入院や死亡のリスクを高めることから、低栄養に関連する要因をミールラウンドにより把握 することが重要である。 キーワード:高齢者、低栄養、ミールラウンド、入院、死亡
  • 藤川 亜沙美, 高田 健人, 長瀬 香織, 松本 菜々, 榎 裕美, 髙田 和子, 大原 里子, 小山 秀夫, 杉山 みち子
    2018 年 18 巻 2 号 p. 21-29
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:本研究は、介護保険施設に入所する高齢者において、ミールラウンド体制と1年間の入院、死亡リスク 低減との関係を検討した。 方法:日本健康・栄養システム学会認定臨床栄養師がいる、あるいは認定臨床研修施設である35介護保険施 設(特養22施設、老健13施設)の入所高齢者1,646名が対象として登録された。平成25年10月~12月のベース ライン時のミールラウンド体制(管理栄養士によるミールラウンド実施頻度、摂食嚥下機能評価体制の有無、 管理栄養士の施設当たりの常勤配置人数、歯科医師や歯科衛生士、言語聴覚士の参加の有無)を独立変数とし、 1年間の入院、死亡の発生を結果変数として、Cox 比例ハザード分析により検討した。 結果:管理栄養士の施設当たり常勤二名配置では、入院に対するハザード比は0.61[CI : 0.43-0.88]と有意に 低減した。歯科衛生士の参加ありでは、入院に対するハザード比は0.70[CI : 0.54-0.91]、死亡に対するハザー ド比は0.70[CI : 0.51-0.97]とどちらのリスクも有意に低減した。言語聴覚士の参加ありでは、死亡に対する ハザード比は0.67[CI : 0.45-1.00]と有意に低減した。その他のミールラウンド体制と入院、死亡の発生は有 意な関連が認められなかった。 結論:介護保険施設に入所する高齢者に対するミールラウンド体制において、管理栄養士常勤二名体制や歯 科衛生士、言語聴覚士との協働体制が1年間の入院、死亡の発生リスク低減に関連した。 キーワード:高齢者施設、ミールラウンド、入院、死亡、管理栄養士
  • 大石 朋子, 川口 孝泰
    2018 年 18 巻 2 号 p. 30-40
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:本研究は、医療施設において口腔リハビリテーションに取り組むチーム活動の実態を把握し、栄養療 法に関する治療指針の有効性の検討を目的とした。 方法:研究対象は、摂食嚥下に関連する2学会から510病院を抽出し、それらの施設で口腔リハビリテーショ ンをチーム医療として実施している医療者に自記式質問紙調査を行った。調査項目は、チーム活動内容、栄 養療法に関係する治療指針、イベント報告などであった。 結果:同意が得られた調査対象者は、259名で、主に3種類のチーム(栄養サポートチーム、摂食嚥下チーム、 口腔ケアチーム)に所属していた。チームの活動時間を比較すると、NST が最も少なかった。また、栄養療 法に対する治療指針のない体制のチームが半数以上あった。イベント報告の有無には、患者やチームメンバー とのコミュニケーションなどの個人要因が影響していた。 結論:口腔リハビリテーションをチーム医療で実施していくためには、栄養療法の治療指針の作成や、その 運用に向けたチーム体制づくりが必要である。 キーワード:口腔リハビリテーション、チーム体制、栄養療法、治療指針
  • -高齢者施設でのエネルギー必要量の推定方法について-
    工藤 美奈子, 峯木 眞知子, 和田 涼子, 髙田 和子
    2018 年 18 巻 2 号 p. 41-51
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
    この研究の目的は, 高齢者施設での推定エネルギー必要量(EER)の算定方法について安静時代謝量(REE) と身体活動レベル(PAL)の2 つの要素から検討することである。対象者は70歳以上の高齢者施設入所中の 女性23名である。対象者の概況調査, 身体計測, REE 測定, 総エネルギー消費量(TEE)測定, 身体活動量調 査, 食事調査を行った。TEE は二重標識水法により23名の内14名に実施した。REE(実測REE)は1,025± 206kcal/ 日であった。14名のTEE は1,135±213kcal/ 日, PAL は1.2±0.3(0.8~1.7)であった。食事摂取基 準に記載されている5 つの推定REE を実測REE と比較すると推定誤差が大きく, どの推定式も当てはまら なかった。身長と要介護度が推定誤差に影響していた。高齢者施設入所者のPAL による生活内容は, 1日の 96.4 %を臥位と座位で過ごしており, 1日の半分以上を臥位で過ごしていると臥床生活にあたると判断できた。 食事摂取基準に準じたEER の算定の方法は, 高齢者施設では適切ではないではない可能性が示唆された。 キーワード:推定エネルギー必要量, 高齢者施設, 安静時代謝量, 身体活動レベル, 総エネルギー消費量
  • 藤岡 由美子
    2018 年 18 巻 2 号 p. 52-60
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
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