日本健康・栄養システム学会誌
Online ISSN : 2758-3309
Print ISSN : 2432-3438
介護保険施設における栄養ケア・マネジメントのプロセス指標の評価
~ 2021年度実態調査に基づく横断研究~
大田 圭要 高田 健人長谷川 未帆子岡本 節子古明地 夕佳苅部 康子谷中 景子堤 亮介榎 裕美加藤 すみ子田中 和美長瀬 香織杉山 みち子三浦 公嗣遠又 靖丈
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2024 年 24 巻 2 号 p. 1-11

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抄録
目的:介護保険施設において栄養ケア・マネジメントのプロセスに関する定量的な評価指標についての研究報 告は見当たらず、高齢者の生活機能や生活の質に及ぼす影響に関する研究が十分でない。本研究は、1)介護 保険施設を対象として日本健康・栄養システム学会が提示した栄養ケア・マネジメントに関するプロセス指標 の質問項目の内的整合性を評価し、主成分分析で質問項目の特徴的な項目のパターンを明らかにすること、2) 主成分別のアウトカム指標との関連を明らかにすること、の2 点を目的とした。 方法: 研究デザインは、2021 年9 月に行われた郵送質問紙調査に基づく横断研究である。本調査は、3,052 施 設に質問票を郵送し、556 施設から回収を得た(回収率18.2%)。解析対象は、栄養ケア・マネジメントのプロ セスについての回答が完備されている502 施設とした。栄養ケア・マネジメントのプロセスの指標には、5 つ の要素からなる全20 項目の質問を用いた。なお、これら20 項目から特徴的なプロセスのパターンを抽出する ために主成分分析を行い、これによって得られた成分別のスコアを説明変数とした。プロセス評価の外的指標 は、入院した人数、誤嚥性肺炎により入院した人数、施設内で死亡した人数、亡くなる1 か月前の時点で経口 摂取していた人数とした。主成分別のスコアを四分位によって4 カテゴリに分け、スコアが最も低い群を基準 とし、それぞれの外的指標の割合が中央値以上に該当したオッズ比を算出した。 結果:20 項目の内的整合性を示すCronbach のアルファ係数は0.660 であった。主成分分析では次の特徴を示 す5 主成分が抽出された; 『①栄養ケア・マネジメントの基本のスコア』、『②栄養ケア・マネジメントを発展的 に取り組んでいるスコア』、『③栄養マネジメント強化加算の要件に特化したスコア』、『④マニュアルや帳票を 重視しているスコア』、『⑤多職種連携スコア』。特に『②栄養ケア・マネジメントを発展的に取り組んでいる スコア』(介護支援専門員との連携、研修会への参加、低栄養中高リスク者への介入、ミールラウンドの実施 と記録との関連が強い)が高い施設ほど、スコアが低い施設と比べて入院した人数の頻度(オッズ比)が統計 学的に有意に低く(傾向性のp 値= 0.026)、亡くなる1 か月前の時点で経口摂取していた人数の頻度(オッズ比) が統計学的に有意に高かった(傾向性のp 値= 0.027)。 結論: 本研究で使用したプロセス指標20 項目全体で1尺度とみなすには限界があるものの、今後のプロセス 指標の修正・開発において『②栄養ケア・マネジメントを発展的に取り組んでいるスコア』に寄与した質問項 目が特に有用である可能性が示唆された。
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© 2024 一般社団法人日本健康・栄養システム学会
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