抄録
2022年9月23日夜遅くから24日明け方にかけて,静岡県中部では猛烈な雨となり,静岡(地方気象台)では最大12時間降水量が404.5mm となり,観測史上第1 位の記録を更新した。また,最大24時間降水量も1974年の七夕豪雨により観測され508.0mmに次ぐ第2 位の記録(416.5mm)となった。本豪雨により,静岡市の清水区では巴川と支流で外水・内水氾濫が発生し,市内での浸水被害は5 千棟弱に達した。筆者らが実施した約1,150か所の浸水深の調査に基づいて作成した浸水深図から,洪水浸水想定区域図(計画規模)と浸水範囲がほぼ一致した。鳥坂・大内,渋川の地区では最大で250cm 弱の浸水深を記録したが,1974年の浸水深を下回った。その一方で,大内,堀込,上の地区では両者の差異が10cm 前後で,七夕豪雨に近い浸水深に見舞われていた。