【目的】動眼神経麻痺で発症しコイル塞栓術を施行した硬膜内脳動脈瘤の動眼神経麻痺の術後回復経過について報告する.【対象】動眼神経麻痺を伴って発症した硬膜内脳動脈瘤6例を対象とした.動眼神経麻痺の程度は完全麻痺が4例,不全麻痺が2例であった.くも膜下出血が4例,未破裂脳動脈瘤が2例であった.最大径5.8~8.7mmで,部位はIC-PC4例,IC-Achor1例,BA-SCA1例であった.【結果】発症から8ヵ月後の動眼神経麻痺の改善は,完全回復4例,不完全回復2例であった.術前不全麻痺の2例はいずれも完全回復した.【結語】コイル塞栓術後の動眼神経麻痺は改善する傾向がみられ,動眼神経麻痺の症状を有することは,クリッピング術かコイル塞栓術かを決定する要因にはならない.