Journal of Neuroendovascular Therapy
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テクニカルノート
前後拡張あるいは後拡張手技を行わない頚動脈ステント留置術:術後の経時的な血管内腔の変化
鈴木 祥生倉田 彰岩本 和久中原 邦晶仁木 淳宮崎 朋子山田 勝岡 秀宏藤井 清孝菅 信一
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2010 年 4 巻 1 号 p. 16-20

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抄録

【目的】前後拡張あるいは後拡張手技を行わないステント留置術(CAS)後の血管内腔の変化を検討した.【対象と方法】連続9例を対象とした.全例男性で平均年齢68.1歳,また全て症候性であった.6例でソフトプラークを,2例で石灰化を認めた.全例でdistal protectionを行った.前後拡張手技なしにCASを行えた症例は3例であった.他の症例では小さめのバルーンカテーテルで前拡張を行い後拡張は省略した.【結果】平均狭窄率は術前83.6%であり,術直後は40.3%,術後1ヵ月で20.3%と改善した.平均12.3ヵ月間の経過観察後の最終狭窄率は11.3%まで改善した.2症例で,術中に生じた低血圧や徐脈が1日以上遷延した.1例で術後一過性脳虚血症状を呈した.【結論】自己拡張型ステントを用いたCASにおいて,前後拡張あるいは後拡張を行わなくても必要十分な血管拡張が得られ,中期フォローアップでも満足できる血管内腔が確保された.本法の有効性や安全性についてはさらに多数例の検討が必要である.

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© 2010 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

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