2010 年 4 巻 3 号 p. 146-150
【目的】前下小脳動脈のmeatal loopより遠位部に発生した動脈瘤に対し瘤内コイル塞栓術を施行し得た一例を報告する.【症例】86歳女性.くも膜下出血で発症した.発症日に施行した脳血管撮影と3D-CTAでは出血源が不明であったが,発症2週間後の3D-CTAにて左前下小脳動脈遠位部に動脈瘤が認められた.瘤内コイル塞栓術を行い,合併症なく良好な結果を得た.【結論】我々の知る限り,前下小脳動脈のmeatal loopより遠位部に発生した動脈瘤に対し親動脈を温存しつつ瘤内コイル塞栓術を施行した初の報告である.