保健医療科学
Online ISSN : 2432-0722
Print ISSN : 1347-6459
ISSN-L : 1347-6459
特集
Real World Data を活用する観察研究データベースの考察
木村 映善
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2018 年 67 巻 2 号 p. 179-190

詳細
抄録

悉皆的に収集されたReal World Data(RWD)を用いた観察研究からエビデンスを導出できるような取り組みが求められている.データベース設計に関する課題として,標準情報モデルへの統合,統制用語へのマッピング,各施設の測定結果などの組織間較正,患者個体の識別・追跡性の確保およびデータソースを巡るバイアスについて提示した.これらの課題を踏まえて,RWDからのETL手法の標準化,標準化されたデータベース構造の定義,コホートを適切に定義する方法論,RWDデータの素性の特定と品質改善,そしてRWDを収集する対象と時系列上の網羅性の確保が,医療ビッグデータ時代に課せられた優先度の高い研究テーマであることを提示した.標準化されたデータベースとコホートを適切に定義する方法論について焦点をあて,先行研究としてeMERGEプロジェクトにおけるPheKBというフェノタイピング手法を公開するリポジトリと,OHDSIプロジェクトにおけるOMOP CDMによるデータベースの構造の標準化と標準統制用語集の取り組みについて紹介した.今後の我が国における取り組みの一案として,国内事情を踏まえたDWHの取り組みと国内外のCDMと統制用語集のマッピングの取り組みとの間に責任分界点を設定したプロジェクトを立ち上げることを提案する.

著者関連情報
© 2018 国立保健医療科学院
前の記事 次の記事
feedback
Top