保健医療科学
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消化器分野でのICD-11構築の経緯とわが国への適用に向けた課題
秋山 純一 石川 智久富谷 智明名越 澄子三輪 洋人三浦 総一郎菅野 健太郎
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2018 年 67 巻 5 号 p. 464-470

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抄録

目的:過去12年にわたる消化器分野におけるICD-11改訂作業の過程を調査するとともに,今後の我が国への適用に向けた課題を明らかにすることを目的とした.

方法:2007年から開始した日本消化器病学会の諮問委員会であるICD-11検討委員会および13専門の一つである内科部会での活動状況と現在の問題点を調査した.

結果:ICD改訂作業の第一フェーズ(2007〜2013年)は,IM-TAGの中のGI-WG,HPB-WGとして,コンテントモデルと呼ばれる構造案を構築した.改訂作業の第二フェーズ(2013〜2018年)では,コンテントモデルを用いた疾病・死因合同リニアリゼーション(JLMSS)が構築され,さらに2016年にICD-11-MMSと呼ばれる評価版が発表され,2018年 6 月にはICD-11が公表された.この間の消化器分野におけるICD-11構築の経緯として,2010年 4 月に消化器肝胆膵合同作業部会対面会議を東京にて開催し,ICD-11の基本構造の骨格を確定,その後2007〜2016年まで,国内のICD-11委員(ワーキングメンバーを含めて30名弱)が集まり,計17回の対面会議を行い,主に進捗状況の報告と,内科TAGでの議論やWHOからの要請に基づき,ICD-11構造変更とdefinitionの作成などに関する作業を行った.また,2012年 4 月第98回日本消化器病学会総会において,「ICD-11改訂の道」と題するシンポジウムを開催した.

現在の状況および今後の国内適用に向けた課題としては,GI-WG,HPB-WGが責任者ではない項目の修正ができないこと,今後消化器specialty linearizationの必要性の検討が必要であること,などが挙げられる.

結論:2009年からの,消化器分野に関するICD-11改訂作業の経緯,および本邦への適用に向けた課題について,検討した.今後ICD-11の本格的な普及に向けて,更なる作業が必要と考えられる.

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© 2018 国立保健医療科学院
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