抄録
本研究は,訪問看護ステーション利用者を自宅で介護する家族を対象に,家族介護への現金給付の賛否と賛否の要因を明らかにし,家族介護にとっての介護サービスと現金給付のあり方を検討することを目的とする。介護者850名に質問紙調査を実施した結果,350名から回答を得た。現金給付への反対33.3%,賛成37.4%,どちらともいえない29.3%であった。現金給付の賛成要因は,経済的に利用できないサービスの存在,費用の負担感が高いことで,反対要因は,問題行動,地域にサービスがないことであった。
現金給付に対する賛否は分かれ,今後国民的な議論が求められる。介護保険のあり方として,低所得世帯への費用軽減,サービス不足の地域には整備を図り,その上で現金給付を家族介護の評価として考慮する仕組みが望まれる。現金給付に際しては,家族介護の質を担保する仕組み,特に第三者によるモニタリングなど環境整備が求められる。