保健医療科学
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論文
睡眠障害を有さない若年男性における就寝前の光照射による起床後の主観的睡眠感,注意力および作業効率の変化
白熱電球と青色光の比較
内海 卓哉石澤 正夫高畑 未樹八巻 通安佐藤 寿晃
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 69 巻 5 号 p. 453-459

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抄録

目的:本研究は,就寝前のブルーライトを主波長とする青色光照射が,睡眠障害を有さない若年男性の主観的睡眠感,注意力,作業効率に及ぼす影響を調査することである.

方法:対象は,12人の睡眠障害を有さない若年男性(年齢:20-23歳)であった.対象者は就寝前の 1 時間,1白熱電球,2青色光の 2 条件で照射を受けた.照射を行った翌朝,主観的睡眠感と注意力,作業効率について測定を行った.主観的睡眠感はOSA睡眠調査票(MA版),注意力は精神運動ヴィジランス課題,作業効率はパーデューペグボードを用いた.

結果:白熱電球照射後とブルーライト照射後の 2 条件間で主観的睡眠感に有意な差は認められなかった.作業効率は,ブルーライト照射後で白熱光照射後と比較し有意に低下した.また,ブルーライト照射後の注意力では10分間の測定時間の内,後半 5 分部分で反応時間が有意に延長した.

結論:本研究の結果は,就寝前のブルーライト照射が翌日の注意力と作業効率を低下させる可能性があることを示唆する.

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© 2020 国立保健医療科学院
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