2021 年 70 巻 2 号 p. 100-106
食品衛生法の一部を改正する法律が公布され,我が国の食品等事業者についてはHACCPに基づく,或いはHACCPの考え方を取り入れた衛生管理を行うことが令和 3 年 6 月以降求められることとなった.このうち,食肉・食鳥肉製品の製造を担う,と畜場及び大規模食鳥処理場では,HACCPに基づく衛生管理(いわゆるCodex HACCPの日本版)が求められ,各業界団体はその実施に先立ち,衛生管理の手引書を作成するとともにその普及啓発に当っているところである.また,事業者の対応に連動して,HACCPに基づく衛生管理の実施にあたっては,自治体等が行う外部検証も求められており,その中ではと畜場法や食鳥検査法で示される施設設備基準等のほか,微生物試験による衛生状況の確認も評価項目した形で通知が出されている.本稿では,食肉・食鳥肉製品に関わる主な危害要因を概説すると共に,これらの管理方法について紹介する.