2021 年 70 巻 3 号 p. 248-251
感染症分野における持続可能な開発目標3(SDG3)を達成するため,国内における感染症への取り組みを把握し,継続的に発生動向を把握するとともにその対策について評価することは極めて重要である.2014年世界的に主要な予防戦略としてWHO/UNAIDSが早期診断・早期診療を基本とした90-90-90(95-95-95)戦略を発表した.この戦略に基づき各国において数値目標の新規感染者数,診断率,治療率を把握するためのより詳細は動向分析が積極的に進められている.本稿では,これらの研究成果を基に日本の達成状況を議論するとともに,SDG3に含まれるHIV関連指標への応用について考察する.