2021 年 70 巻 3 号 p. 273-287
東京電力福島第一原子力発電所事故後の食品の放射線安全確保のための対策について,事故後10年間の対応の整理を試みた.東日本大震災時に発生した原子力発電所事故後に食品の放射線安全確保のために用いられた指標は,あらかじめ備えていたものであったが,その後の現存被ばく状況での対応では,国際的な考え方に基づき管理のための指標値が導入され,国際的に調和が取れた規制での対応となった.対策の内,食品の放射性物質濃度のモニタリングは,地域の状況に応じた対応がPDCAサイクルを機能させてなされていた.事故によるリスク増加であることを踏まえた関係者間での合意形成が今後の対応でも求められる.