保健医療科学
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論文
費用対効果評価ガイドラインの考え方
比較対照技術と分析対象集団について
白岩 健
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2023 年 72 巻 2 号 p. 152-160

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抄録

我が国における費用対効果評価は2019年 4 月より制度化された.医薬品・医療機器・再生医療等製品の費用対効果を検討し,その結果を公定価格の調整に用いている.製造販売業者による分析あるいは公的分析を実施するにあたっては,諸外国におけると同様に,分析手法についてまとめられた参照すべきガイドラインを作成している.14章から構成されるガイドラインのうち特に,「3 分析対象集団」「4 比較対照技術」の両章については,費用対効果評価を実施する際の分析枠組みに直結するものであるため,結果に与える影響も大きく,その考え方などについて様々な議論がなされることも多い.そこで,本稿においては分析ガイドラインのうち「3 分析対象集団」「4 比較対照技術」の両章に焦点を当てて,その考え方を改めて解説した.主な見解としては,我が国における費用対効果評価の制度応用状況を鑑みるに,比較対照技術を「最も置き換えるもの」と考えるのは必ずしも適切ではない.また,分析対象集団についても,個々の評価については様々な議論があろうが,少なくともサブグループ解析の解釈は,その限界,例えばαエラーやβエラーがインフレーションすること等について配慮を行っており,結果をP値等により一律に判断するようなことはしていない.臨床的観点等を十分に踏まえた総合的評価に基づいているものである.

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© 2023 国立保健医療科学院
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