2024 年 73 巻 2 号 p. 100-111
特定健診・特定保健指導はメタボリック症候群にフォーカスして生活習慣病予防を進めるために2008年度から始まった.2024年度から2029年度まで実施される第4期では,喫煙や飲酒に関する設問が改訂され,リスクをより正確に把握するため,より詳細な選択肢が追加された.また,特定保健指導の受診歴を確認する設問が改訂された.特定保健指導の主な達成目標は腹囲2cm,体重2kg減とされ,生活習慣病の予防につながる行動変容(食習慣,運動習慣,喫煙習慣,休養習慣などの生活習慣の改善)に重点が置かれた.本稿では,日本における生活習慣病予防の歴史を振り返るとともに,本制度の概要と第4期で重視された点について解説する.