2024 年 73 巻 2 号 p. 126-135
本稿においては,第7期障害福祉計画の策定に際して示された基本指針の内容をもとに,障害福祉サービスの基盤整備において都道府県や市町村が求められている内容を概括した.地域共生社会の実現に向け,多領域にまたがるサービスの調整やサービスの提供体制の包括化が求められる中で,障害福祉計画の基本指針に盛り込まれる内容は近年急激に増えており,保健医療や他の福祉領域との政策的調和もまた強く求められている状況が明らかとなった.一方,我が国においても健康・医療・介護分野で収集されるデータを整備し,サービス提供に活用していくデータヘルス改革の取り組みが進んでおり,障害福祉領域においても障害支援区分や障害福祉サービスの給付状況を示すデータを含む障害福祉サービスデータベースの活用に向けた環境整備が進んでいる.また,Evidence-based Policy Making (EBPM)への要請が高まる中,障害福祉計画の基本指針においても,各障害福祉サービスの見込み量に加え,施策の状況を確認するための数値目標や活動指標を設定することが示されており,3年に一度を基本とする計画策定年の間にもこの実績を評価し,必要はあるときには対策の措置を講じるといったPDCAサイクルを実行していくことが都道府県・市町村には求められている.このような状況下においては,規模や地域資源がさまざまである都道府県・市町村の取り組みには,格差が生じることが予想されるため,都道府県レベルでの広域的調整や市町村への支援を充実していくことや,地域の実情に応じて,サービスを必要とする人の多様なニーズをより細やかにサービス基盤整備に反映していくことが今後期待される.