保健医療科学
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特集
WHOが推奨する高齢者のための包括的ケア
ICOPE(Integrated Care for Older People)について
荒井 秀典
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2024 年 73 巻 3 号 p. 185-189

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抄録

加齢と共に心身機能のみならず,認知機能や感覚機能が衰え,フレイルを合併する高齢者が増加する.フレイルは要介護状態の手前の状態であり,転倒・骨折,認知症,脳卒中などのリスクとなる.一方,WHOは高齢になっても機能維持が可能であり,それが健康寿命の延伸につながるとの考えから,内在的能力(Intrinsic capacity)を提唱し,あらゆる地域において健康寿命の延伸に取り組むことができるよう啓発を行っている.そして,WHOは内在的能力の低下を防ぐことにより,健康寿命を延伸するためのツールとしてICOPEを開発した.ICOPEは健康寿命を延伸し,高齢者の介護者を支援するための介入を含む包括的な地域に根ざしたアプローチを実践するためのツールであり,介護予防における有用な手段である.

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© 2024 国立保健医療科学院
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