2024 年 73 巻 5 号 p. 350-358
エビデンスに基づく健康づくりのため,国内外の既存のコホート研究やレセプトのデータ等の知見より,科学的な手法を議論した.米国のHealthy People 2030や英国の例を紹介するとともに,歯科健診・検診についてのエビデンスの作成のための検証手法をまとめた.エビデンスとしては無作為化比較試験RCTが望ましいが,すべての評価が可能とはいえず,これまでの大規模コホートのデータやエビデンスの網羅的な解析を実施すること,一部はシミュレーションなどによる解析も必要である.これらにより,疾病削減効果,QOLの向上及び医療費への影響について評価することが望まれ,これらの知見に基づいた歯科保健政策が望まれる