近年,自然災害が激甚かつ頻発化しており,今後も国内のいずれの地域においても,甚大な被害をもたらす可能性のある災害発生のリスクは高まっている.また,地球規模の気候変動がもたらす異常高温,熱波などの異常気象の頻度も増加し,気象変化の影響による健康被害への対策も求められている.さらに,新型コロナウイルス感染症の全国的な感染拡大や,パンデミック禍の災害の発生等,健康危機事案の複雑・困難性の増加がみとめられ,これに関連した法制度などの改訂などが頻繁に行われている.そのため地域の健康へ影響をもたらす健康危機事案の発生を想定し,地域保健活動の中核を担う保健師は,平時および有事に求められる体制や人材育成の強化などに着実に取り組むことが求められている. 本稿では,東日本大震災以降の大規模災害時の実態を踏まえ,昨今の健康危機時の地域保健活動の特徴と,今後に備えた示唆について解説する.