脳神経外科と漢方
Online ISSN : 2758-1594
Print ISSN : 2189-5562
症例報告
再増大を繰り返す慢性被膜化脳内血腫に対して トラネキサム酸と漢方処方の併用が有効であった1例
高野 駿早川 隆宣高里 良男正岡 博幸八ツ繁 寛重田 恵吾住吉 京子百瀬 俊也榎本 真也佐藤 慎
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 3 巻 1 号 p. 85-89

詳細
抄録

慢性被膜化脳内血腫の詳細な発症機序は未だ明らかではないが,被膜の組織像と慢性硬膜下血腫外膜の組織像が類似していることが知られている。静脈性血管腫に伴う慢性被膜化脳内血腫で血腫増大を反復する症例に対し,五苓散をトラネキサム酸と併用したところ血腫の著明な縮小を認めたため報告する。慢性硬膜下血腫に対する五苓散の有効性は知られており,病態の類似する慢性被膜化脳内血腫に対して有効であると考えられる。

著者関連情報
© 2017 日本脳神経外科漢方医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top