脳神経外科と漢方
Online ISSN : 2758-1594
Print ISSN : 2189-5562
原著
急性期脳出血患者の舌診評価を加味した駆瘀血剤の効果検証
山村 俊弘工藤 琢巳田村 郁藤井 照子古屋 純一嶋田 昌彦前原 健寿
著者情報
キーワード: 駆瘀血剤, 舌診, 脳出血
ジャーナル フリー

2018 年 4 巻 1 号 p. 20-24

詳細
抄録

脳出血は瘀血の状態と考えられ,駆瘀血剤を用いた瘀血症状の改善が脳浮腫および随伴症状の改善に有用であると言われている。また,瘀血の診断には舌診が有用である。我々は,駆瘀血剤を投与した脳出血患者の残存血腫率と舌所見の関連性を検討した。2017年4月から10月までの7ヵ月間に発症し,駆瘀血剤である桂枝茯苓丸および大黄製剤であるセンノシドを投与した脳出血患者7例を対象とし,口腔機能管理時に舌写真を定期的に撮影し,残存血腫率と舌所見の推移を検討した。舌所見の該当する項目数が多いほど残存血腫率が高い傾向が得られた。舌所見を加味することで,脳出血患者に対する駆瘀血剤の効果をより客観的に評価できる可能性があると考えられる。

著者関連情報
© 2018 日本脳神経外科漢方医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top