脳神経外科と漢方
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症例報告
桂枝加朮附湯が奏効した水痘・帯状疱疹ウイルスによる顔面神経麻痺の1例
中江 啓晴草鹿砥 宗隆小菅 孝明
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2018 年 4 巻 1 号 p. 25-27

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抄録

患者は水痘・帯状疱疹ウイルス (VZV) による右顔面神経麻痺の42歳女性。第4病日の麻痺は重度で,柳原40点法で6点であった。プレドニゾロン,バラシクロビル,メコバラミンを開始したが,第13病日は12点であった。桂枝加朮附湯を開始したところ,第20病日には32点に改善,第41病日には40点となり完全治癒した。検索しえた限りではVZVによる顔面神経麻痺に対して桂枝加朮附湯が有効であったとする報告はなかった。桂枝加朮附湯はVZVによる顔面神経麻痺の予後を改善する可能性がある。

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© 2018 日本脳神経外科漢方医学会
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