2017 年 13 巻 p. 113-121
国立大学改革実行プランや人文社会系学部の見直し要請等,大学の現状見直しに関する比較的強い提案が立て続けになされた.今,大学にとって大切なのはこれらの意見について個別的に反応することではなく大局的に考えることであろう.これらの改革要請提案はいかなる考え方がもたらした結果なのか.本稿では,そのような文科省がもつ今日的な社会観,研究観,大学観を捉えることをねらいとし,学術・科学技術に関わる文科省の最新政策の分析を試みる.特に,大学の研究現場に直接的に作用しうるという点で,国立大学改革実行プランのような提言資料ではなく,平成28年度に向けた文科省概算要求の科学技術系3局と高等局の政策提案資料を対象とした.これにより,政策立案に直接的に関わる課室長およびその補佐といった,政策立案現場の考え方に着目することができる.