日本神経回路学会誌
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解説
ネットワーク構造がもたらすロバストな臨界性
能川 知昭根本 幸児長谷川 雄央
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2014 年 21 巻 4 号 p. 182-189

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抄録

複雑ネットワーク上の協力現象はユークリッド格子上のそれとは本質的に異なる場合があることが,近年明らかになってきた.本稿ではスモールワールド性を持つネットワークでしばしば観測される臨界相に注目する.臨界相とは,2次相転移の臨界点が有限のパラメータ領域に広がったようなものである.このことからスモールワールドネットワークは臨界的な状態を,パラメータ変化に対してロバストにする構造を持っていると考えられる.本稿ではいくつかの代表的なネットワークのボンドパーコレーションについて,それぞれの相図と基本的な性質を概観し,ネットワーク構造と臨界性の関係を考察する.

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© 2014 日本神経回路学会
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