日本神経回路学会誌
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解説
運動のばらつきとリハビリテーション
冨田 洋介
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2024 年 31 巻 1 号 p. 12-19

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抄録

運動のばらつきは,個体,課題,環境の変動に対する適応能力を反映することから,運動学習やリハビリテーションにおいて重要である.本稿では,豊富な自由度とその制御機構に焦点を当て,運動のばらつきとの関係性を解説する.ここでは特に,運動のばらつきを測定するために身体運動制御研究で用いられる評価方法と,運動学習の習熟段階に応じた運動のばらつきの変化について解説する.そして,身体運動制御研究で用いられる運動のばらつきの評価を臨床応用するのための課題についても議論する.本稿では運動学習やリハビリテーションにおいて,運動のばらつきの理解が効果的なトレーニングや治療戦略の設計のために重要となる可能性について議論する.

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© 2024 日本神経回路学会
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